この記事の要点
出張整体は、治療家が院内施術以外に持っておける一つの選択肢です。ただし、移動時間まで考えると必ずしも利益効率が高いわけではなく、「出張整体をすれば儲かる」というものではありません。
一方で、施術料金や交通費が通常の院内施術より高くなっても、「自宅まで来て診てほしい」と考えている方には実際に需要があります。
出張整体を行う場合は、料金だけではなく、事前決済・キャンセルや変更の条件・予約方法・交通費・リピート方法などのルールを事前に決めておくことが重要です。
この記事では、開業当初から出張整体を行ってきた僕自身の経験をもとに、実際の料金設定、集客方法、予約ルール、リピート、ご家族への施術、そして出張整体で特に重要になる治療技術について解説します。
「出張整体って、どうやって始めればいいんだろう?」
「料金はいくらにすればいい?」
「予約やキャンセルのルールはどうする?」
「一度出張したあと、リピートはどうする?」
出張整体に興味はあっても、実際にやったことがなければ分からないことは多いと思います。
僕自身は、開業当初から出張整体を行ってきました。
近ければバイクや車で伺うこともありますし、かなり遠方であれば新幹線を使って伺うこともあります。
ただ、最初にお伝えしておきたいのは、
「出張整体をやりましょう」
「出張整体で利益を最大化しましょう」
という話ではないということです。
院内で施術する方が効率の良いケースもあります。
それでも、「患者さんが院に来る」という方法だけではなく、自分から患者さんのところへ行くという方法もあることを知っておくと、治療家としての選択肢が一つ増えます。
今回は、僕が実際にどのような形で出張整体を行っているのかを具体的にお話しします。
出張整体は「主力事業」ではなく一つの選択肢
出張整体だけで大きく売上を伸ばしたり、利益を最大化したりすることは、正直なところ簡単ではありません。
理由の一つが移動時間です。
院内であれば、施術が終わればすぐ次の患者さんを診ることができます。
しかし出張整体の場合は、施術時間だけではなく往復の移動時間も必要です。
遠方になれば、片道1時間、2時間、それ以上かかることもあります。
その時間まで含めて考えると、院内で患者さんを診ている方が利益効率が良い場合もあります。
だから僕自身も、出張整体を治療院経営の主力にしようとは考えていません。
数十人、数百人を集める事業ではなくても、
「こういう治療の届け方もある」
という一つの方法として持っておけばいいと思っています。
ちなみに、僕が出張整体を続けている理由は非常にシンプルで、楽しいからです。
僕が実際に行っている出張整体の料金
僕の場合、出張整体の料金は最低22,000円からにしています。
距離や条件によって、
33,000円。
55,000円。
といった料金になる場合もあります。
交通費については、施術料金とは別にいただいています。
かなり遠方の場合には、1回の施術で8万円程度いただいて伺うケースもあります。
ただし、この金額を見て、
「出張整体なら高単価にできる」
と考えてほしいわけではありません。
僕が伝えたいのは、
そこまでの費用を支払ってでも「自宅まで来て診てほしい」という需要がある
ということです。
料金が高くても、必ずしも利益効率が良いわけではない
僕の場合、院内での初診は1時間の枠を取っています。
通常の施術であれば、1時間で複数の患者さんを診ることもできます。
一方、出張整体では施術時間に加えて移動時間が必要になります。
遠方であれば、移動だけで数時間かかることもあります。
そのため、金額だけを見れば高く感じても、時間まで含めて考えると院内施術より効率が落ちることがあります。
それでも出張整体には、院内施術とは違う価値があります。
わざわざ自宅に呼んで、
「何とかしてほしい」
「一度診てもらいたい」
と思ってくださる方は、それだけ深く悩まれていることも多いからです。
出張整体の集客はYouTubeを中心にしています
僕の場合、出張整体の集客は基本的にYouTubeを中心にしています。
YouTubeを見て僕の治療や考え方を知っていただき、そのうえで出張整体について問い合わせをいただく流れです。
出張整体は通常の院内施術より料金も高くなりやすく、患者さんにとってもハードルがあります。
そのため、いきなり広告だけを見て予約するというより、
「どんな先生なのか」
「どんな考え方で治療しているのか」
を事前に知ってもらうことは大切だと思っています。
出張整体の料金は事前決済にしています
僕の場合、出張整体の施術料金は事前決済です。
現地へ行ってから料金をいただくのではなく、予約時にあらかじめ施術料金をいただく形にしています。
遠方の場合、こちらも移動時間を確保し、交通手段などを準備する必要があります。
そのため、通常の院内施術以上に予約時のルールを明確にしておくことが重要です。
キャンセル・変更のルールは最初に決めておく
出張整体をするのであれば、キャンセルや予約変更についても最初にルールを決めておいた方がいいです。
僕の場合、1週間前など余裕のある段階であれば変更を受けることもあります。
一方で、2日前、3日前など直前になってからのキャンセル・変更については、基本的に受け付けない形にしています。
大切なのは、
予約を受けてから決めるのではなく、予約前に条件を伝え、納得してもらったうえで予約していただくこと
です。
予約をLINEだけにしている理由
僕の場合、出張整体の予約については電話では受け付けず、LINEのみで対応しています。
理由は、やり取りの履歴を残すためです。
料金。
日時。
キャンセルや変更の条件。
訪問場所。
こうした内容を口頭だけで決めてしまうと、後から認識の違いが生まれる可能性があります。
患者さん側にとっても治療家側にとっても、文章としてやり取りを残しておくことは大切です。
出張整体を始める前に決めておきたいこと
僕自身のやり方をまとめると、出張整体を始める前には最低限、次のようなことを決めておくといいと思います。
・出張整体の施術料金
・交通費をどのように扱うか
・支払いのタイミング
・キャンセル、変更の条件
・予約方法
・どの範囲まで出張するのか
特に遠方へ行くのであれば、曖昧な状態で始めるのではなく、先にルールを作っておくことをおすすめします。
出張整体でもリピートの考え方は院内施術と変わらない
では、出張整体で一度施術したあと、どのようにリピートにつなげるのか。
僕自身は、通常の院内施術と基本的な考え方は変えていません。
遠方の患者さんで、その地域に信頼できる先生がいれば、その先生をご紹介する場合もあります。
僕の院まで来てもらった方が良いと判断すれば、そのようにお伝えすることもあります。
LINEなどを使って、その後に取り組んでもらいたいことをお伝えする場合もあります。
そして、患者さん自身から、
「もう少し診てほしい」
と言われれば、再度出張することもあります。
大切なのは、出張したからといって無理に何度も呼んでもらうことではありません。
できるだけ少ない回数で、その患者さんにとって良い方法を考える。
ここは院内施術でも出張整体でも変わらないと考えています。
ご家族への施術につながることもある
出張整体では、患者さんのご自宅へ伺うため、ご家族が施術の様子を見ることがあります。
例えば、ご主人を施術していて、その変化を奥さんが見ている。
すると、
「私も一度診てもらおうかな」
となることがあります。
実際に、ご夫婦を続けて施術することもあります。
僕の場合、同じ場所で続けてご家族を診る場合、2人目については通常の院内施術と同じ料金で対応しています。
また、ご両親の施術を見た息子さんや娘さんが、その後僕の院へ来てくださったケースもあります。
もちろん、紹介してもらうことを目的に出張整体をしているわけではありません。
ただ、実際の施術や身体の変化をご家族が目の前で見ることで、自然と信頼につながることがあるというのは、出張整体ならではの特徴だと思います。
出張整体で特に重要になるのが治療技術
そして、出張整体をするうえで一番注意してほしいのが治療技術です。
患者さんは通常の院内施術より高い費用を払い、自宅まで治療家を呼びます。
特に遠方から呼ばれる場合、
「何とかしてくれるのではないか」
「自分の症状を良くしてくれるのではないか」
という期待も高くなります。
その分、治療家側に求められるものも大きくなります。
だからこそ、出張整体は料金設定や集客方法だけを覚えて始めればいいものではありません。
患者さんの状態をきちんと確認し、自分が対応できること・できないことを判断し、必要な施術ができる技術を身につけておく。
ここは非常に重要だと思っています。
出張整体だけで売上を作ろうとしなくてもいい
出張整体は、治療院経営の主力にはならないかもしれません。
予約が埋まっている先生であれば、わざわざ出張する時間を作れないこともあると思います。
一方で、
休みの日。
予約の空いている時間。
近隣から依頼があったとき。
このようなタイミングであれば、一つの方法として取り入れることもできます。
僕自身、出張整体をしていると非常に感謝していただくことがあります。
そういう経験をすると、
「治療をやっていて良かったな」
と感じることもあります。
利益効率だけでは測れない部分も、出張整体にはあると思っています。
まとめ|出張整体は治療家が持っておける一つの選択肢
今回お伝えしたかったのは、
「出張整体をやった方がいい」
ということではありません。
また、
「出張整体なら高単価にできる」
という話でもありません。
出張整体という方法を知っておけば、必要になったときに治療家として選べる方法が一つ増えます。
・料金をどう設定するか
・交通費をどうするか
・事前決済にするか
・キャンセルや変更をどう扱うか
・予約方法をどうするか
・その後のリピートをどう考えるか
・必要な治療技術を身につけているか
こうしたことを事前に決めたうえで、患者さんにとっても治療家にとっても納得できる形で行うことが大切です。
院内で患者さんが来るのを待つだけではなく、自分から必要としている方のところへ行く。
今すぐ始める必要はありません。
「こういう治療の届け方もある」
という一つの知識として持っておいてもらえればと思います。
出張整体も「治療院経営全体」の中で考えることが大切です
今回ご紹介した出張整体も、治療院経営における一つの方法にすぎません。
出張整体を始めることだけで、治療院経営のすべてが良くなるわけではありません。
新規患者さんをどう集めるのか。
必要な患者さんにどう継続してもらうのか。
治療技術をどう高めていくのか。
きちんと利益を残せているのか。
そして、その利益を将来の資産形成につなげられているのか。
僕は治療院経営を、
この5つの分野から考えています。
「自分の治療院は、今どこがボトルネックになっているんだろう?」
という方のために、「治療家の経営研究室」では「一人治療院の経営5項目診断」を無料で用意しています。
全部で25個の質問に答えることで、
「今、自分の治療院はどこに課題があるのか」
「まず何から改善していけばいいのか」
を確認できるようにしています。
出張整体を始めるかどうかを考える前に、一度ご自身の治療院全体を確認してみてください。






